ファンレター
当然のことだけど、濱田サキは思ってた以上にきれいで可愛いかった。
メイクのせいにするわけじゃないけど、並べば完璧に私は中学生だ。
「わかると思うけど、濱田サキだよ」
桂カメラマンが、ため息をつきながら紹介する。
「もちろん、わかります!」
自己紹介をするほどの身分でもないし、私はとりあえず頭を下げた。
「あの時の電話の子でしょ。涼さんだっけ」
「あ、はい……」
「てことは、私のこと当然嫌いよね」
「へっ!?」
いきなりの重い言葉。
意味深だ。
しかもそんな台詞を吐いてまで、余裕の顔。
私も、そんなことないですと言えばいいのに、言葉が出てこない。
そんなこと、大ありだからか。
「サキ、いじめるなって」
二人の視線をつなぐラインに分け入って、桂カメラマンが濱田サキの肩を押さえた。
でもさらにその手を払い退け、濱田サキは私のとなりに抜群なスタイルをしずめてきた。