初めての恋に溺れる人魚~my first love~

〝カウンセリング”というものを終えて、


「足元に気を付けてね~」


と、美容室の二階奥にある個室へと通される。

個室の中に入るときに、ドア横の〝VIP room”という文字が、ちらっと目に入った。

VIPって、よく有名人やお金持ちの人とかが利用する〝VIP”のことなのかな、と思うと、何だか……冷や汗が出てきた……

ちょこんと、大きな鏡の前に座ると、ユリさんが二人のアシスタントを従えて私の髪の毛に手をかける。

髪の毛を触られたり、シャンプーされたり、マッサージをされたりすると、あまりにも気持ちよくて―…うとうとと目蓋が重くなる…

うとうと……うとうと……

時々ユリさんから、「沁みない?」とか「痒いとこない?」とか、声をかけられるけど、ぼーっとしたままの状態で「はい……」「はい……」と答えてしまう。

昨日あまり寝れなかったから、その反動が今来てるのかな。

もう……無理……

寝ちゃいます……




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