初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「ごめんね~気持ち良く寝てるところを起こしちゃって」
ユリさんが苦笑いしながら私を見てる。
「い、いえ……こちらこそ寝ちゃってすみません……っ」
寝てた。うとうとしながらも、終盤は結構本気で寝てたと思う。
どんな顔でうとうとして、がっつり寝てたのかと思うと恥ずかしい……
うわぁ~…と思って、また落ち込む私に、
「ね、海音ちゃん」
とユリさんが声をかける。
「一応、これで完成なんだけど、どうかな?」
くるっ、と私の座るイスを鏡の真正面にユリさんが合わせてくれる。
完成……?
「―…っ」
嘘。
言葉が出ない。
というか、だ…誰……!?
私が知っている自分とは全く別人の私が鏡に映ってる。