初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「あのね、確かにメイクやヘアスタイルで印象って随分変わってくるけど、ここまで素敵に変われるのは海音ちゃん自身が素敵な素材を持っているからよ」
「はぁ……」
ユリさんの言葉、嬉しいけど―…自信が持てないし素直に受け止められない。
「海音ちゃんって目立つことを敢えて避けてるでしょう?」
ユリさんの言葉は的確だ……
「でも、本当は心の奥では変わりたいって思ってるんじゃない?」
「―…っ」
さっきよりも数倍もユリさんの言葉が胸に響く。
変わりたい?
私が……?
そんなワケ―…
〝ない”って、はっきり言える?
もう一人の自分の声が聞こえた気がした。