初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「別にケチつけてるわけじゃねぇし。いいんじゃない、って俺は言ってんだから」
「あーはいはい。海音ちゃん、こんな表現の乏しい男、後で迫って来たって無視していいからねっ!」
せ、迫るっ!?
ユリさん、それは絶対にないです!って思ってしまう。
「いい?響は無視よ!無視!」
「あ、はは……」
何て答えていいかわからなくて、取り敢えず愛想笑いをしてしまう。
「ユリがうるせーから、もう出るぞ」
「え?」
「もうやることないんだろ?行くぞ」
月島先輩は、さっさと下に降りて行ってしまう。慌ててそれを追いかけようと立ち上がる私。
「足元、気をつけてね」
「ありがとうございます……」
「じゃあ、私達も一階におりましょうか」
私とユリさんも一階へ。