初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「でも、どうして今は活動していないの?」
私がそう尋ねた瞬間、いーちゃんの表情が変わる。
そして、キョロキョロと辺りを見渡して、誰もいないのを確認すると、
「暴力事件が―…原因みたい」
私の耳元で小声で言った。
「ぼ、ぼうりょ―…」
「シーッ……!」
私が声を出すと、慌てて止めに入る、いーちゃん。
「その話はタブーらしいの」
「ど、どうして……」
「とにかく月島先輩がピアノで活躍してた事は話題にしちゃダメな雰囲気」
「えぇ……?」
だって、あんなに素敵にピアノを弾くのに、それに触れちゃダメだなんて不思議。
辞めてしまった事も勿体ない、って思ってしまうのに。