初めての恋に溺れる人魚~my first love~
嘘……
覚えていてくれてたなんて―…
ポカンと口を開けて、歩いて行ってしまうヒビキさんの背中を見つめる。
後姿が見えなくなるまで、ずっと。
すると、
「す、すごいよ、海音~!!月島先輩達と知り合いなのっ?!」
物凄く感動した表情で、隣に居たいーちゃんが声を上げた。
「えっ……いや、知り合いっていうか……」
「でもっ、海音が自殺未遂って何?!どういうことっ?!」
さっきの感極まった表情とは一転、今度は涙目で私に詰め寄ってくる。
「違うの……あ、あのねっ」
いーちゃんの誤解を解こうと、取り合えず昨日の出来事の説明をしようと思う。けど、
「何-?あの女ー」
「一年じゃん?」
「月島先輩と話すなんて生意気すぎ~!」
こちらもさっきとは一転。一気にギャラリーの、さっきまでの熱い視線が冷めた視線へと変わっている事に気付く。