初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「つい昨日、偶然知り合っただけ……だよ」
「偶然でも何でも月島先輩から顔を覚えて貰えてるってスゴイことだよ~!?」
「そう……なの?」
「そうなの!」
もともと学校の有名人なんて全く知らないから凄いって言われてもイマイチ実感が沸かない。
それよりも私の気持ちにあるのは、会いたいと思っていた彼とまた会えたって事。
「でも本当にね、少しだけ言葉を交わしただけで―…知り合いっていえる程の関係じゃないんだよ」
全然凄くない、って低めなテンションな私。
そんな私の顔を、いーちゃんが覗き込んでくる。
〝昨日、何があったか話しなさい”
って顔にでっかく書いてある。