タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
――ドサバサドサァッ!


「きゃああぁぁっ!?」


あたしはその大きな物体に全身を包み込まれ、悲鳴を上げながら両手両足をジタバタさせた。


な、なんなのよこれ! これっていったい・・・!


・・・あ、あれ・・・? これって・・・


・・・アミ?



見ればあたしの全身を包み込んでいるのは、植物のツタを編み込んで作ったアミだった。


これって、動物を捕獲するための仕掛けワナのアミじゃないの!


・・・・・・・・・・・・。


あぁそっか。ここって『タヌキ山』だったっけ。



そう。このカメリア王国には、なんと・・・・・・


タヌキが生息している!


いや、「タヌキがいるのよ、すごいでしょ」って自慢するのも変かもしれないけど。


この山のタヌキは、ちょっと違う。そんじょそこらのタヌキとはワケが違うの。

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