タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
全身のお肉をタプタプ揺らしながら、オルマさんが駆け寄ってくるのが見えた。


よかった! 彼女も無事だったんだ!


ゾンビの集団の中、ひとりで置き去りにしちゃって心配してたんだよー!


「オルマさん! どうやってここに!?」


あたしと王子も、オルマさんに飛びつかんばかりにして駆け寄った。


ゼエゼエ息を切らし、額の汗をぬぐいながらオルマさんがようやく声を出す。


「それが・・・あの白タヌキが突然、目の前に現れたのでございます!」


そしてブランを指さした。


「わたくしめの姿を見るなり、『ミアンはどこだ!? 』と叫んだのでございますよ! 妙に聞き覚えのある声で!」


あたしはギクッと顔を強張らせる。


さ、叫んじゃったの? タヌキの姿のままオルマさんの目の前で?


「あそこの不思議なタヌキがかい!? オルマ!」


「さようでございます王子さま!」


「げ、幻聴だったんじゃないかなぁ!? ゾンビの幻術かなんかでさ!」


あたしは必死にさり気なさを装い、ふたりの間に入ってフォローを試みる。


内心ヤバイ汗がダラダラだけど。


「いくらなんでもタヌキがしゃべるわけないって!」


「ところが今度は『気配がする! ついて来いオルマ! 』とわたくしめの名前を呼んだのでございます!」


「い゛・・・!?」


あたしの顔は、さらに強張った。


ちょっとブランてば! いくらなんでもデカミス連発しすぎ!

フォローしきれないでしょうが!

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