タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
きっと、いる。

あの場所にいる。


そこで彼らはあたしを待っているんだ。


花びらを飾ったウエディングドレス。

仕掛けアミを噛み千切ったヴェール。

緑の小枝を束ねたブーケを用意して。



皆でグニャグニャのダンスを踊ってくれたね。

鳥とネズミのミックスプレート、覚えてるよ。


きっとおタヌキ王も、輪の中で笑顔で踊ってる。


そして・・・・・・


ブラン・・・・・・あなたが・・・・・・。



あたしを、待っている・・・・・・。



涙が、頬を伝って落ちた。

ぼろぼろと音を立てて、次々と流れ落ちる。


それでも愛しい者たちの姿を思い浮かべ、あたしの心は温かかった。


確かに、自分の中にある真実。

その存在を確信しながら・・・・・・


あたしは泣きながらヨロヨロと進み続けた。



白く輝く髪。果実のように濡れ光る瞳。


抜けるように白い綺麗な肌。


柔らかくて温かい毛並み。


頭の上から話しかけてくる、明るい声。


こんなにもこんなにも、全てが愛しいあなた。


振り返り、手を差し伸べて


『さあミアン、もう一度始めよう』


あの美しい笑顔で、あたしにそう言うのよ・・・。


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