恋文



未来に教えたらめっちゃ爆笑されたけど、その次の日に真顔で「あれヤバイよ。みんな逃げる。」って言ってたから、たぶん効果あったんだと思う。

「あ、そうだ。彼氏とどう?」

アタシの質問に、未来は苦虫を噛み潰したような表情になる。

「いや~、ほら。彼氏とかいらないし、興味ないから。別に作れないんじゃなくて、作らないだけだから。」

「要するに、また鬱?」

「や!今回はまだ!鬱になる前に別れた!」

自信満々に言うことじゃないっすよ、未来さん。

アタシと未来、校内美女ランキング1位と2位の彼氏は、どうやらそうとうなイケメンじゃないといけないらしく、ちょっとでも欠点があると周りが煩いんですよ。
最近できたばかりの未来の彼氏は、未来のファンの男子にブレザーを燃やされるわ、迷惑メールされるわ、足はかけられるわで弱っていたらしい。

『こんなんでへこたれるような男は未来さんに相応しくない!』

と、未来のファンは言っていたけど、別にお前らの意見は聞いてないっつの。
なんでわざわざお前らの許可を得なければならんのじゃ!!!くそ!!

だからアタシは彼氏作らない。
未来もそうだった。
でも、今回の彼氏は未来が好きになって告白してた彼氏だった。
それなのにファンは許さなかった。
いや、未来が好きになったから尚更。

あー、本当にムカつく。

「やっぱアタシが殴って来ようか?」

「えー、いいよー。ハルは殴るだけじゃ済まさないでしょー?違う?」

「ちっ!!…がわないけど……。」

「ほら!だからダーメ!絶対ダメだからね?そんなことしたら絶好だよ!!」

「……。」

「返事は?」

「………はい…。」

「偉い偉い!」

何回もこのやり取りをした。
未来は決まって「ダメだからね!」と念を押す。

未来よりもアタシの方が怒って、殴りに行きそうなアタシを必死で止めたのは未来。

未来はいつも優しいから怒らない。
いっつも、アタシのワガママに文句を言いながらも付き合ってくれる。
未来は優しすぎる。

アタシはそんな未来が好きだし、ファンの男子もそうなんだと思う。
けど、ファンの男子は未来の優しさに漬け込んでるだけだよ。
未来のことが本当に好きなら、見守ってあげるべきじゃん。

なんで、そんなことも分からないのかな。



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