恋文



どちらか2パターンの男子としか接点がないアタシにとって、悠哉さんは初めてのタイプだった。

どの男子よりもカッコ良くて、優しくて、ときどき可愛い。
好きな人に一途でぞっこん。
ここまでのイケメン要素が揃ってるサラリーマンなんて、そうそういないに決まってる。

顔良し、頭良し、性格良し。
この三拍子!これ大事!めっちゃ大事!!
ちょっと抜けてるとこもあるけど、悠哉さんは頭も適度に良い。

そりゃあイケメン過ぎて辛いわ。
校内美男ランキング1位の体育教師なんか、比べ物にならないくらいに悠哉さんはイケメン。

頭の中で2人を並べる。
あ、ヤベェ。月とすっぽん。

「あ、5限目始まる」

未来の声で、アタシの意識は現実に引き戻される。

「え、ウソ~。授業ヤダ~。」

「ハルは寝てても何してても、授業に参加するだけで褒められるから。とりあえず静かにしててね。」

「うぃー」

貶されてるのかバカにされてるのか…あ、どっちも一緒か。
アタシの語彙力とか大丈夫かな?

自分の学力の低さを不安に思っていると、鐘と同時にセンセが入ってくる。
時間厳守のお婆ちゃんセンセ。
社会科担当で滑舌が悪い。

そんなお婆ちゃんセンセの授業は眠いの何の。
みんなはきっとそう思いつつも、必死に目を開いて頑張ってる。
いや、もう寝ちゃってる人もいるけど。

アタシも寝るつもりだった。
つもりだったのに、ちょっと授業見てから寝るかな~と思っていたが、それどころじゃなくなっていた。

え、ヤバイです。
アタシ授業の内容が何1つとして理解できません。
さすがにコレは焦ります。
進級できるかな?コレ。

え、待って待って待って。
まじで分かんないんだけど。
授業に出てないから、分かんなくなってるんだろうな~とは思ってたけど、いやはやココまでとは。
我ながら天晴れやん。

1,2,3,4限目は完全に寝てたから気付かなかったけど、どの授業も分からなかっただろうな~。

……真面目に勉強しよ。




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