恋文
次の日。
混乱した頭のまま、未来に尋ねる。
「ってことがあったんだけど、どう思う!?」
「え。絶対ハルのこと好きじゃん」
「でも、悠哉さん片想い中なんだよぉぉお」
「だって、ハルに嫌われたかと思って泣きそうな表情してたんでしょ?好きじゃない男に嫌われてもどうも思わないでしょ?好きだから不安だったに決まってる!」
「でもでも、悠哉さんだからなぁ…。」
「もっと自信もって!!逆にそこまで言っといて好きじゃない方がおかしいよ!」
「でもでもでも、悠哉さんのことだし…」
「あー!もう!〝でも〟は禁止!」
未来に強く押され押し黙る。
こういう時の未来はイキイキしてる。
未来だって女子だから、恋バナだってしたいに決まってる。
けど、アタシも自分も恋できない状況にある以上、恋バナなんて夢のまた夢だ。
なんだかんだ言って、未来だって今の状況は嫌なんだ。
「ハル!!」
「はっ、はい…!?」
突然、強く名前を呼ばれ、肩を掴まれる。
え、えぇっと…。
「もし、悠哉さんがハルのこと好きだったら困るの?」
「全然!困る訳がない!逆に嬉しいよ!!嬉しい、けど…4年間も好きだった人を諦めてまで好きになる価値がアタシにあるのかなって…。」
「あー…、4年間も片想いってスゴいよねぇ。尊敬するわ。」
「だよね。4年もあったらカップラーメンめっちゃ作れるよね。」
「カップラーメンなんて3分だからね、分。」
「「……。」」
アタシの短い人生では4年という年月はあまりに長く、あまりに膨大な時間だった。
悠哉さんはそんな長い時間、ずっとその人のことを想い続けて来たんだと思うと胸が苦しくなる。
今も、悠哉さんがその人のことを考えていると思うと辛くなる。
アタシのことも見て欲しい。
ちゃんと恋愛対象として見て欲しいんだ。
「まず、その人のことを知る所から始めようよ!ねっ?」
「悠哉さんの、こと?」
「そうそう。悠哉さんの好きな人は、少なくとも4年は悠哉さんといる訳だから、ハルよりも色んな悠哉さんの顔を知ってる!と思う!」
「おぉ!よく分かんないけど、うん!」
奈美さんは悠哉さんのこと4年も前から知ってるのか。
それも、そうか。
天文学が好きな奈美さん。
奈美さんが好きな星が好きな悠哉さん。
そんな悠哉さんが好きなアタシ。
アタシは悠哉さんのこと知ったのは最近だけど、それでも悠哉さんが好き。
「ハルも負けないように、悠哉さんのことをたくさん知ろう!!」
「よ、よし!まず、悠哉さんの過去について知りたいと思う!!」
「やんややんやー!」