ガーデンテラス703号


しばらくすると、遥斗が頼んでくれた料理が順番に運ばれてきた。

テーブルに次々置かれていく料理をふたりでつまみながら、お互いに近況を話し合う。


「あゆかは、今も卒業後に就職した会社に勤めてんの?」

「うん。経理の仕事を続けてるよ。遥斗は今も同じ会社?」

「そうそう。去年希望が通って、海外事業の方に行かせてもらえることになった」

「そうなんだ。夢が叶ったんだね」

遥斗は大学卒業後に自動車関係のメーカーに就職した。

就活してるときから、そこの海外事業部に行って働きたいって言ってた。

それを知ってるから、私まで何だか嬉しくなる。


「忙しい?」

「まぁまぁかな。最近は、海外に出張とか行かせて貰えて充実してるよ」

「へぇ、頑張ってるんだね。私は変わらず平凡な日常を送ってるから、なんか羨ましい」


楽しそうに仕事の話をする遥斗がキラキラ輝いて見えた。


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