ガーデンテラス703号
振り返るとそこには、さっきの見知らぬ男が立っていた。
さっき見たときには裸だった上半身にはTシャツを着ていたけれど、私を見下ろすその目は相変わらず怖い。
目尻がきゅっとつりあがっていて、気性の荒いネコみたいだ。
つかまれた腕に変な汗が滲むのを感じながら、ごくりと唾を飲み込む。
そのとき、彼が怖い目で私を睨みおろしながら口を開いた。
「あんたがシホの友達?だったら、初めからはっきりそう言え」
不機嫌そうな声が降ってくる。
その声の低さと目つきの悪さに完全にびびってしまった私は、怯えて肩を縮こまらせた。
「いえ、あの……違うんです」
「おい」
つかまれたままでいる腕を解いて逃げようとすると、私の腕を引っ張りあげて引き止める。
「何が違うんだよ。さっきかかってきた電話、シホだろ?」
彼が私の手の中のスマホを指差して睨む。
「いえ、だから……違うんです」