ガーデンテラス703号
だらだらと他愛のない会話を続けているうちに、あっという間に1時間が過ぎてしまう。
気づけば遥斗たちとの待ち合わせ時間が10分後に迫っていて、慌ててカフェを出た。
待ち合わせは、遥斗が予約してくれたお店の前だった。
入り口のそばには、その店の前で集うにはなんとなく不自然に見える4人の男性陣。
歩み寄って行くと、私に気付いた遥斗がすっと手を挙げた。
「あゆか、こっち。シホもひさしぶりだな」
首を横に傾けて笑う遥斗の顔を見て、少しほっとした。
相手の人数が遥斗を含めて4人だったから。
遥斗は婚約者がいるから、ただ幹事としてこの合コンに加わってるだけだろうし。
私も幹事として、適当に場をやり過ごそう。
お店を予約してる2時間もの間、知らない男の人たちと会話し続ける自信なんてなかったから安心した。
「遥斗、全然変わんないね」
シホが遥斗を見て目を見開く。
「シホもな」
「それはどうも」
「じゃぁ、入りましょうか」
遥斗がそう言って、お店のドアを開く。
彼に誘導されるようにして、私たちはみんな店の中に入った。