ガーデンテラス703号
遥斗と別れてからはあまり出会いもなかったし、男の人とふたりで出かけることもなんとなく避けてきたけど……
食事くらいなら、行ってみてもいいのかな。
「とりあえず、食事だけでもしてみれば?そのあとのことは、それから考えてみればいいんじゃない?」
スマホを片手に迷っていると、香織が私の心の中を読んだみたいにアドバイスをしてきた。
「そう、かな……」
「そうそう」
香織の後押しで、少し心が揺れる。
その場ですぐに返事をするのは躊躇われて、一旦スマホをテーブルに置くと香織がちょっと残念そうな顔をした。
「あ、迷ってる」
「迷うよ」
「そうかなー。あ、ちなみに。私は土曜日デートの約束してるよ」
「え、誰と?」
最近、出会いが続かないとぼやいていた香織がそんなことを言いだしたからびっくりした。
「この前の合コンのとき、和田さんと番号交換したの。話してて楽しいし、今ちょっといい感じだよ」
「へぇー」
香織が森岡さんのことを勧めてくるのは自分の恋が順調に進みそうだからなのかな。
幸せそうな表情を浮かべる香織を見て小さく苦笑いした。