ガーデンテラス703号
ちょっと不自然なくらいオーバーに頷いた私に、ホタルは何の疑問も抱かなかったらしい。
「ふーん」と言うと、ちらっと私の手元に視線を向けた。
「ずいぶん遅かったんだな。その感じだと、当然買い物はしてねぇよな」
「買い物……」
そういえば、森岡さんと食事に行く前にホタルからそんなメッセージが届いてたっけ。
確か、卵と牛乳……?
「ごめん、すっかり忘れてた」
というか、言われなかったらもう思い出すことすらしなかったかもしれない。
謝ると、ホタルが私に向かって不満そうにため息をつく。
「返信ないし、期待はしてなかったけどな」
ついでに、睨むように見下ろされて、何だかひどく悪いことでもしたような気持ちになった。
「ごめんね。ホタルは明日も仕事だよね?必要なら、明日の午前中に買いに行っとく……」
謝りながら目を伏せる。
「なら、今から付き合え」
「へ?」
突然手首をつかまれたかと思うと、そのままホタルに前へと強く引っ張られた。