ガーデンテラス703号
「付き合えって、どこに?」
「そこ。今寄ったら、卵と牛乳売ってた」
私の腕をひきながら、ホタルが指差したのはマンションの近くのコンビニだった。
「売ってたなら、自分で買ってくればよかったのに」
私を引っ張ってコンビニに入っていくホタルの背中に小さな声でぼやく。
「もしお前が買ってきてたらカブるだろ」
聞こえないくらいの声でぼやいたつもりだったのに、それはしっかりと聞こえていたようで。
肩越しに振り返ったホタルに睨まれた。
ビクッとして後ろに身を引くと、腕をひいていたホタルの手が離れる。
ホタルはその場に私を残すと、ひとりでコンビニの奥へと進んで行った。
店の奥で牛乳と卵を選ぶホタルの後ろ姿を目で追いながら、買い物が終わるのをおとなしく待つ。
することがなくて、店内で視線を動かしていると、お菓子コーナーに目が止まった。
あ、美味しそうなチョコ売ってる。
初めて見るお菓子のパッケージに惹かれるように、ふらふらとお菓子の棚に歩いていく。