ガーデンテラス703号


朋美がシホの幼なじみと知り合いだと聞いて、私の心は揺れた。

全然知らない人のお父さんのマンションに住むのは不安だけれど、シホと朋美ふたりの知り合いだというのなら、ルームシェアも悪くないのかもしれない。


「とりあえず、部屋だけでも見に来ない?見てから気に入らなかったら断ってくれていいし」

「じゃぁ、ちょっと見るだけでも……」


シホに熱心に誘われて、最終的に頷く。

私が頷くと、シホは大喜びで部屋を見に行く日程の調整を始めた。

機嫌よくスケジュール帳を捲るシホに、朋美が訊ねる。


「シホ、いいの?ホタル的には今の――」
「失礼しまーす。ラストオーダー10分前ですが、ご注文いかがですか?」


だけど、伝票を持って近づいてきた居酒屋店員の声が朋美の言葉を遮った。


それでその話題は一度途切れてしまう。


後日シホから電話があって、私は彼女が幼なじみとルームシェアをしている部屋に足を運んだ。


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