ガーデンテラス703号
最初は少し痛いくらいに思えたホタルの手の動きが、抵抗できずにいるうちにだんだんと心地よくなってくる。
しばらくされるがままになって突っ立っていると、私の髪を彼なりに満足に拭き終えたらしいホタルが手を止めた。
「よし、完了」
私の頭を両手で押さえたまま、ホタルが満足気にニッと笑う。
普段クールな彼があまり見せることのない、悪戯っ子みたいな笑顔。
その笑顔に、否応なく胸がときめく。
動揺を悟られないように目を伏せたら、ホタルの手が私の髪をぐしゃりと乱暴に撫でてきた。
「ちゃんとドライヤーしてこいよ」
そう言ってリビングの方は歩いて行くホタルの背中を見送りながら、まだ完全には乾ききっていない髪にそっと手を触れる。
そこにホタルがさっきまで触れていたのだと考えたら、それだけでもう胸の高鳴りが抑えきれなかった。