ガーデンテラス703号



ぺらぺらと余計なことを喋り出しそうなシホを振り返ったら、彼女が楽しそうにけらけらと笑った。


「待ち合わせ、何時だっけ?」

「6時にホテルのロビー」

「じゃぁ、何か飲んでから出ても間に合うね。何がいい?コーヒー、紅茶、ココア、緑茶。ホットでもアイスでも出せるよ」

「じゃぁ、ホットコーヒー」

「了解!」

シホは私に向かってにこっと笑いかけると、次のお客様が待っている莉亜ちゃんとともに受付の方に歩いて行った。

もう少しでホタルとの待ち合わせの時間になると思うと、心地よい興奮で動悸が速くなる。

もしずっと家にいたら、きっといつまでも落ち込んでひとりで鬱々としていた。

気分転換できた上に、食事に出かけるのに申し分ないくらいキレイになる時間を与えてくれたシホの厚意はありがたい。

今度、何かお礼しなきゃ。

鏡に映るシホの背中を見つめながら思う。


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