ガーデンテラス703号


「あ、あのときは、そっちが勝手に裸で出てきたんでしょ?私が覗いたわけじゃない」

すぐに反論したけど、ホタルは意地悪く私を見つめたまま「ふぅん」と言うだけだった。

彼がそんな態度だから、私が間違ったことを言っているみたいでだんだん恥ずかしくなってくる。

それがすごく悔しい。


「もう、いいです!」

私はホタルを睨みつけると、彼に背を向けた。

それから、ちょっと乱暴に足音を鳴らしてシホの待つリビングへと戻った。


リビングに入り、まだ少し力の入った手でバタンとドアを閉めると、冷蔵庫から新しいビールを取り出していたシホが、キッチンのカウンター越しに私を覗き見て目を瞬たかせた。


「あゆか、どうかしたの?」

「別に」

不機嫌な声で答えると、シホに近づく。

そしてシホの手からビールの缶を奪った。


「ちょっと、それあたしの」

唇を尖らせるシホを無視して、冷えたビールの蓋を開ける。


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