ガーデンテラス703号
「シホ、お前そろそろやめとけば?」
シホの隣に座ったホタルが呆れ顔で彼女を見つめる。
「そんなこといちいち口出ししないでよ。今日はあゆかの歓迎会だから、飲みたいだけ飲むの」
シホはホタルを横目で睨むと、テーブルの上のワインの瓶に手を伸ばした。
「あっそ。明日の仕事に響いても知らねぇからな」
ホタルの忠告を無視して、シホが空になったグラスにワインを注ぐ。
けれどシホが手にした瓶から出てきたワインはほんの数滴だった。
「あれ?もう空っぽ?」
不満そうに空の瓶を振ったシホが、テーブルの上にある別のワインの瓶に手を伸ばす。
けれどそれももう空っぽだった。
「それが空ならもうねぇよ。ていうかシホ、お前ひとりでどんだけ飲んでんだよ。俺の分ももうちょっと残しとけよ」
ホタルが空っぽの瓶を振るシホに不平を零す。
「そんなこと言われたって飲んじゃったもんはしょうがないでしょ。冷蔵庫にビールなかったっけ?」