ガーデンテラス703号
これからまた出会ったりしたらどうすればいいんだろう。
何でもない顔をして挨拶してすれ違っとけばいいのかな。
たまにならそれでいいけど、もし頻繁に出会っちゃったりしたらすごく困る。
そんなふうに思っていると、マンションを見上げた遥斗が感嘆の声をあげた。
「それにしても、デカくて綺麗なマンションだな。駅近いし、家賃高いんじゃねぇの?」
「そうだね。普通にひとりで住むなら、とても家賃払えないと思う」
遥斗につられるようにマンションを見上げてつぶやくと、彼が驚いたように目を瞬いた。
「ひとりで住むなら、って……同棲とかしてんの?」
遥斗にじっと見つめられて、彼とはもう何の関係もないのに、無意識に誤解されたくないなという打算が働いてしまう。
「同棲じゃなくて、ルームシェアしてる。シホと、あとその幼なじみと3人で」
「シホって、大学のときあゆかと仲良かったあのシホ?」
「うん、あのシホ」
「へぇ、お前ら今もつながりあるんだ?」