ガーデンテラス703号
「うん。大学卒業してからそこまで頻繁には連絡取り合ってなかったんだけど、3ヶ月くらい前に友達の結婚式でひさしぶりに再会したんだ。私がルームシェアさせてもらってる部屋をシホの幼なじみのお父さんが持っててね、安く貸してくれてるの。ちょうどシホと再会したときに私が引っ越し先を探してて、それでここを紹介してもらったの」
「へぇ、そうなんだ。シホの幼なじみって、もしかして朋美とか?」
遥斗の口から、大学時代私とシホが仲の良かった友人の名前が出てくる。
私は遥斗の大学時代の交友関係なんておぼろげなのに、彼が私と仲良かった友人のことを覚えていることが意外だった。
「朋美ではないよ。だけど、シホの幼なじみは朋美ともちょっと知り合いみたい」
「へぇ」
そこでシホの幼なじみが男だと遥斗に伝えなかった私には、まだ彼に対して僅かな未練でも残っているのかもしれない。
いやだな……
つまらないとか、結構ひどい言葉でふられたのに。
そんな自分にちょっとうんざりしてうつむくと、遥斗がスーツの胸ポケットからスマホを取り出して私に見せるように差し出してきた。