音色
音色
しばらくすると、駅前に十六夜のおっきなポスターが貼られた。
アルバムをリリースするらしい。
雰囲気が奏たちにすごくマッチしていると思う。
あたしは、あんまり詳しくないからわからないけど十六夜は幅広い世代に人気で、今話題のユニットらしい。
あたしがあの日、奏に出逢う前からずっと活動してきてるみたいだから、その活動が身になったんだ。


(すごいじゃん、あたし‼︎だってこんなに素晴らしい人と一緒に過ごせたし、キスだってしたんだもん)


「…だから、あたしも頑張らなきゃ。もっともっと」


仕事を頑張れば、いつか結果がついてくる。
実際諦めないでがむしゃらにやったら、あたしの開発したスイーツが雑誌に取り上げられた。
だけど…。
だけど、頑張って奏のことを忘れようとしても全然忘れられない。
忘れるどころかあたしの中の奏は大きくなっていくばかり。
奏だって毎日頑張っているはずなのに、あたしはあの日から一歩も前に進めないでいる。
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