音色
「あーっ!もう‼︎なんであたしの目の前に現れたのよっ‼︎……こんな気持ちにさせといて、責任取りなさいよ〜っ!」


あたしは、ポスターの奏に向かって叫んだ。
近くにいる人はなぜかざわついてるけど、そんなの関係ない。
それぐらい、してもいいと思う。
する権利があたしにはある。


「うん。そうだね」


あたしの後ろで声がした。

「なんであたしの気持ちが通りすがりの人にわかるのよ…っ!」

と八つ当たり気味に振り向いた。

「わかるよ、琴音のことだもん」

そう答えたのは、聴き覚えのある優しい声。あたしが聴きたくて聞きたくて、たまらなかった声。

「なんで奏が…?」

「いちゃいけない?」

「ううん!そんなわけ…」

あたしが焦って答えると、奏は優しい笑顔を見せた。
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