クラッシュ・ラブ

【あたしはマネージャーより、マネ補佐のあゆみの方が、リアリティあってなんかいいです】

【ほんのちょっとのシーンでしたが、羽生っちとあゆみっちのラブラブシーンが好きで、何回もそこだけ読んでますw】

【素人が言うのも失礼だと思うのですが……。前よりもユキ先生、キャラクターの心情とか表情とかが生きてるように思えました】

【単行本持ってます。でも、単行本辺りは上辺だけの綺麗事な人間関係にも思えてたのですが、本誌に掲載されてるあたりから、がらりと雰囲気変わった気がします。
うまく言えませんが……なんか、“生身の人間”って感じで面白くなってきました】


彼女について語られる手紙は多いけど、それだけじゃない。
雪生自身の変化について触れてるものが圧倒的だ。


最後の一枚を読み終えると、バッと顔を上げて雪生を見た。


「……感情を全部抑えつけようとしても、それは出来るはずなくて。結果、大きな怒りだけをオレの中から消した。
――いや、消したんじゃなくて、隠した、か。そんなことして、さらに人付き合いもしないで来たから……美希に対しては特に、ヘンな方向に爆発しがちになっちゃって……」


一歩わたしに近づくと、ポンッといつものように大きな手が頭に乗せられる。
手の重みを感じながら、ゆっくりと雪生を見上げた。

わたしを見下ろす瞳はすごく優しくて。その目を瞬きもせず見つめ返すと、さらに柔らかく微笑んだ。


「――そういうの、美希が壊してくれたから」


――――え? わたし……?


「澤井さんも言ってたでしょ。『メリット』だ、って。そういう損得みたいな言い方は好きじゃないけど。でも、今、手にあるそれが証明してるように」
「……まさか――」
「現実(ホント)だよ。オレはなにか意識して描いてたわけじゃない。でも、自然とそう思ってもらえるように描けてたんだ。
――――誰かさんのおかげでね」


涙が出てしまった。
自分に対しての手紙じゃないってわかってるのに。

全部、雪生の才能だって。

だけど、ほんの少しでも貢献できてたって物証があるだけで、『認められた』って思ってしまった。
……誰に反対されてるわけでもないのに。

でも、その思いが、わたしに自信をつけさせてくれたから。

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