㈱恋人屋 ONCE!
数時間前。
いつも通り、私は出社した。もうあの時とは違い、それなりに朝も得意になっていた。…でも、たまに寝坊とかしちゃうんだけど。
「さてと…。」
今日の分の予約は来ていなかったので臨戦態勢じゃないとな、なんて思っていた矢先、いつものご指名が。
「黒原紗姫さん、ご指名入りました。」
「あら、こんなに早くからご指名だなんて…。」
「結構モテるんじゃん、紗姫。」
「そうですか…?」
先輩に褒められて少し嬉しさを感じながら、私は足早に更衣室に向かった。この時、私はお客様の情報を見るのを忘れていた。だが幸いにも、今日のお客様は私のよく知る人物だったのだ。
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