㈱恋人屋 ONCE!
この遊園地で恐らく一番大きいと思われるもの、それが観覧車だった。
よく考えれば当然のことなんだろうけど、私はそれを直感で選んだのだった。
近くまで来ると、よりその大きさが間近に感じられる。
いくつものカゴが、空を覆わんばかりの輪の周りをゆっくりと回っている。輪の骨組みの隙間から、赤く燃えるこれまた巨大な夕日が見える。この景色だけでも、十分にキレイだった。
人気なのか、列ができている。その列がまた、どんな風景が見られるのかと期待する私の背中を押していた。
「紗姫ちゃん。」
「…へ?」
私の名を呼ぶ声。だが明らかに、菜月くんじゃない。
振り返ると、そこには…。
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