小学生と隣の狼さん
合コンのことを忘れないよう、頭の隅に合コンをおき、慎重に帰った。

自分の部屋に行き、夏花の部屋をチラリと見る。まだ、帰ってないみたいだ。
友達とでも遊びに行ったのだろうか、部屋が少し荒れている。
俺は、片付けてやろうと思い、ベランダをつたって部屋に入る。
夏花の部屋に入るのは、久々だな…。
本や、筆記用具を拾い、元の場所へ戻す。
なかなか大変な作業だ。
そして、だいぶ片付いてきたとき、部屋の隅にある紙に目がいった。
拾い上げ、見てみる。
そこには…
[…好き。
夏花]
と書いてあった。
最初の部分が切れていて、読めなかったけど、かろうじて、好きだけは読めた。
夏花……、好きって伝えたいほどその人が好きなんだな…。
俺は、なぜか片付ける気力がなくなり、
その場に座り込んだ。

ーガチャ。
夏花の部屋の扉が開いた。
俺は、素早くそっちを見る。
すると、夏花がびっくりしたような表情でこちらを見ていた。
< 15 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop