小学生と隣の狼さん
「……せっ、刹那?!」
「あっ、ハハ。やあ。」
やべー。やべやべ。絶対なにしてんだって怒られるな…。
「なんで、私の部屋にいるのっ!!
女子の部屋に勝手に入るなんてサイテーっ!」
いや、それはお前もだろ。
…と、言いたいところを抑え、笑顔の仮面をつける。
「あ、あのな…夏花。たまたま、散らかってる部屋が目に入って、片付けたんだよ…」
「なにそれっ!!ただの言い訳じゃん!」
「言い訳じゃないよ。」
「もう、刹那の言うことなんて信じられないっ!」
プチン。
俺の中で何かがきれた。
夏花…、さすがに言い過ぎだろ…。
大体、年上に向かってーーー!!
「…………もう……いいよ…」
俺は、怒っているような低い声で一言そう言った。
「……えっ?せ、せつ…刹那?」
夏花は、焦っている。
もう、いいんだよ。夏花にとって俺は、困らせものなんだろ。
そこまでして、困らせる俺といなくても
いいよ。
「…夏花。お前にとって俺は、邪魔なんだろ?」
「えっ」
「だから、夏花が望むなら、俺は今後夏花と関わらない。」
「……せつ….な…。待って!そんなこと思ってない!」
わかってる。それも、同情なんだろ?
俺は、夏花の言葉に返事を返さずに、
自分の部屋へと戻った。

「せつ…なぁ…」
夏花の声が聞こえたが、無視して、中に入った。
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