君がいるから
小日向遥叶編
俺には好きな奴がいる。
だから…
「ごめん、無理。」
今日も、女子を振る。


「はーるー!」
「祈梨。」
祈梨はクラスにムードメーカで誰に対しても優しくて俺とは真反対。
「少しはクラスに馴染みなよ。」
「そんなことしても面倒なだけ。祈梨がいればそれでいい。」
そう、それでいい。
祈梨だけが俺を知ってくれれば。
祈梨だけが俺を見ていてくれるなら。
臆病者の俺は祈梨に『好き』の一言も言えていない。
なんてカッコ悪いんだろう。
周りからはかっこいいと言われるが肝心なところはただのガキだ。
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