ベランダ越しの片想い




わたしが今朝、暑さで目を覚ましたのはまだ朝早い6時のこと。

休みの日なのにそんな時間に起きてしまったのは締め切っていた窓のせいだと気づいた。

カーテンはかけたまま網戸にしようかしらと少し隙間を空けた。

そして、



「咲良……」



ベランダに出て、頭を伏せるようにしていたアキを見つけた。



それは、苦しそうな声だった。

きっとなにか思うところはたくさんあるはずなのに名前しか口に出来ないアキ。



……なんて哀しいの。



見てられなくて、聞いてられなくて、わたしにできることを少ない中から考えた。

そうして朝からケーキを焼き、アキの家まで持って来たの。

ひとりにするよりはずっとマシだと思ったから。







< 13 / 48 >

この作品をシェア

pagetop