プリンセス☆ロード
「確かに、紗南さんを守るという任務はあります。ですが、僕も含めて一番隊は任務だから紗南さんを守ってるわけじゃありませんよ」
「え…」
「僕たちが、紗南さんを大切な人としてお守りしたいと心から思ってるからです。紗南さんの、笑顔を守りたい。その一心です」
怖くて聞けなかったこと。
でも、聞きたかったこと。
嬉しいと思う。
「だから、レンも困ってるんですよ。そんなことははじめてでしょうからね」
「でも、レンがまさか…」
レンに限って任務の気持ち以外で守ってくれようとしてるなんて信じられない。
だって、最初あんなに私のこと目の敵のようにしていたのに。
「任務としてなら、迷わず紗南さんを城に送り返していると思いますよ」
「え…あ、聞いてたの?」
「すいません。たまたま戻ってきた時でしたので、入るに入れなくて隠れていました」
「そっか…。でも、そうならうれしい。レンが私の事疎ましく思ってないってことだもんね」
「それは、確信をもってそう言えますよ。まぁ、レン自身気づいていないんでしょうけどね。自分が任務以外で紗南さんを守りたいと思ってるってことも」
不器用な人ですから、と付け足された言葉。
そう言うソウシの顔はとても穏やかで、それはとても大切な人に向けた言葉のように聞こえた。
なんとなくだけど、ソウシが一番レンの事をよく知っていて、大切に思っているじゃないかと思った。