プリンセス☆ロード




「紗南ちゃん、最近変なんだよ」






レンの部屋に騎士たちが集まった午後。
ミナトは意を決して話し出した。





「…確かに、最近見かけないな」





それに同意をしたのはリュウ。






「レンのところには来てるのか?」

「…いや」





リュウの問いにレンは短く答えた。







「昨日、廊下で会ったんだけどさ、なんかいつもの紗南ちゃんじゃなくってさ」

「いつもの?」

「うん。いつもなら、ミナト―!って嬉しそうに名前呼んでくれて紗南ちゃんの方からいろいろ話してくれるはずなんだけどさ…。俺が部屋を訪ねたこと言っても、何か用があったのかって…」






ミナトの声がどんどん力なく消えていく。






「なんか、用がなかったら行っちゃいけないみたいでさ…」







きっと、そこまで考えていなかったんだろう。
深い意味だってないのだろう。
それは、わかっている。
それでも、傷ついてしまう自分がいる。







< 202 / 469 >

この作品をシェア

pagetop