プリンセス☆ロード




「無様で何が悪いのよ!自分の大切な人を守るために必死になって何が悪いの!?あんたたちは、そんな必死な人を見捨てたのよ!自分の所有物を主張する前に、自分の国を大切にしなさいよ!」




どんな思いで。
どれほど辛かったか、あんたにはわかる?
溢れだした怒りは止められない。

皆が我慢してるのに、私が止められなくて情けないけど。
でも、我慢できなかった。
私の大切な人が愚弄されるなんて。






「あんたなんかより、ずっと!ずっと!リュウの方が、この国を愛してた!あんたなんて国王失格よ!」

「紗南!!!」



私は王様の胸ぐらをつかんで叫んでいた。
突然の私の発狂に驚いて身動きが取れなかったレンたちがハッとしたように叫ぶ。
悔しいの。
こんな風に言われたままでいることが。
私、子どもだから。





「貴様!王様になんてことを!」





隅に控えていたこの国の騎士たちが私に剣を向ける。
その中の一人が私を王から引き離し腕を後ろにひねり上げた。




「あっ!」

「これ以上の無礼、許しませんよ」






その騎士は厳しい声でそう言うとキリキリと腕をひねり上げていく。






「我が国に伝わる伝説の姫に危害を加えることはどういうことかわかっているか」






レンたちも、剣を抜くとそう言い放つ。








「先に手を出したのはそっちだ」

「そのことについては詫びる。しかし、武器を先にぬいたのはお前たちだ。姫に剣を向けるということは、ルネス王国に戦いを挑むということになるが、いいな」

「……っ」






レンが怯むことなくそう言い切ると、私の腕をひねり上げていた騎士の手が離れる。





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