ときどき
高校にはいって初めての中間考査は歓声とと共に終わりを告げ、悲鳴とともに返却が始まった。
はじめに返ってきたのは英語。英語は比較的得意なのでなかなか安心して、安心できる成績を受け取った。
「足立くん、何点だった?」
「94点。おまえは?」
「・・・82点」

次に返ってきたのは世界史。可も不可もない成績だった。
「足立くん、何点だった?」
「95点。おまえは?」
「・・・・・76点」

次に返ってきたのは日本史。ちょっと悪い。
「足立くん、何点だった?」
「92点。おまえは?」
「・・・・・・・・65点」

次に返ってきたのは数学。苦手な上に今回は問題を難しくされた。悲惨である。
「足立くん、何点だった?」
「83点。おまえは?」
「もう言わない、もう言わない!!」

思い知る事になった。足立くん、本当に勉強できる人だ。
結局、私は学年順位の283人中86位だった。微妙である。
足立くんは、堂々の2位である。頭が上がらないである。
渡部さんなどは、恐ろしい事に首位獲得である。あの点数の足立くんより上とか・・・。
佐伯くんは、102位である。いつまでも友達でいてね。

「ていうか、おかしくない?高校受験経てるんだから、こんなに学力に格差あるはずないじゃん!」

私は、内心歯ぎしりしながらそう訴えた。
足立くんが、馬鹿を見るような目で見てきた。テスト以外で馬鹿にすんな。

「別に実力相応の場所に行く義務もないだろ。俺の家、この山のふもとにあるから。地理条件で選んだんだよ」
「私も、電車に乗るのあまり好きじゃないので・・・」

理屈は分かるよ。
でも、なんか合格したときにちょっと喜んでた自分が馬鹿みたいに見えてくるのです。
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