Amarosso~深い愛~の作り方♪
暖かで幸せな家庭。
ろうそくの明かりは、そんなイメージだ。
自分が恵まれなかったとは思っていない。
今泉の両親も姉も、いい人たちだ。
そう。
自分は恵まれている。
同じ顔をした男たちの中では。
腕の中の温かみが心地よくて、ツリーの星を見ながら、まどろんでいるような感覚になる。
気づけば構内は通常の照明に戻り、人の波が動き始めていた。
点火祭は終わったらしかった。
腕の中の麗華はじっとしているが伺うような雰囲気だった。
「行くか」
「うん」
また、はぐれぬように麗華の手首を掴み歩き出す。
本当に点火祭を見たかっただけだったんだな。
と、バカのように思った。
色々と邪推し、空回りした気がする。
麗華がそんな小手先を使えるタイプじゃないと、わかっているのに。
自分がキスしかけたことは意図的に忘却だ。