Amarosso~深い愛~の作り方♪
「忘れないうちに。
バレンタインデーのせんべい」
「せんべい?」
麗華から差し出された和紙の包みを受け取る。
「甘いの苦手でしょ」
「ああ、まあね。
かなりカカオ濃度が高いといけるんだけど?」
「文句言わない」
「で。
手造りじゃないの?」
にやりと意地悪い笑いを口の端に浮かべる。
麗華はうろんな目になった。
「せんべいで手作り?
ってか、そういうの嫌いなくせに、あえて言ってるね。
しかも、私が手作り系に才能がないとわかっていての、嫌がらせじゃない」
「わかった?」
「丸わかり」
怜士はくつくつと笑いながら和紙の紙袋に回っている紐を解いた。