Amarosso~深い愛~の作り方♪
乗り込んだエレベーターが途中の階で止まる。
ためらいもなく、ずんずんと歩いていくのを早足で追いかけていくと、怜士は一つのドアの施錠を外した。
「先にシャワー浴びてくる」
そう言ってバスルームに怜士が消えると、残された麗華は部屋の隅のソファーにへたり込んだ。
この年で、こういうことで落ち着いて行動している怜士に改めて驚いたし、頼もしいかもと思った。
でも考えてみたら、落ち着いているってことは、慣れているってことを意味するのか。
それって、複雑。
じゃなくって。
麗華は深呼吸を一つした。
アメリカに渡ってしまうということは、もうこれっきりだ。
友達と恋人の間の関係を維持した方がって思っても、これっきりなら。
ドアが開く音に、びくりと思わず肩が動いた。
怜士が麗華の姿を見て、無表情さを緩めた。