こころ
初旅行
聖ちゃんは天然でなにを考えてるのかわからなかったけど、あたしのことが好きなことはわかった。
あたしはたっちゃんに
「聖ちゃんのことやっぱ好きやわ」
と告げた。
「わかった。一回遊んでこい。」たっちゃんはそう行ったけど、その前に聖ちゃんがあたしの前から去っていった。
遊ぶこともできなかった。
たっちゃんに悪いことをした二ヶ月目、記念日をむかえられなかった。
ごめん、たっちゃん。


三月はなんと、ディズニーランドに初旅行。
とっぴょうしもなくあたしが行きたいと言い出して安いプランがあったから行くことに。
あたしが中学の修学旅行いけてないからそのかわりになった。
だから制服で行くことにした。
当日、人が多かった。
並ばないといけないし大変だったけど、あたしたちははしゃいだ。
夜になればなるほどテンションが上がって行ってずっといちゃいちゃしてた。
ライトが付きはじめ、ロマンチックだった。
「ちょっと待っててな?」
って言ってどこかに走っていくたっちゃん。
いつも急にどこかにいってしまう。
帰ってきたら手が光ってた。
「なにそれ?」
たっちゃんはにこにこしながらじゃあ〜んって手をひろげた。
そこにはマリーちゃんのかわいらしいライトがあった。
「わぁ〜かわぃぃ!!」
「せやろ?絶対喜ぶと思った!!つけたる☆」
あたしのコートにライトをつけた。
あたしは耳にもマリーちゃんの耳をつけてて、マリーちゃん状態だった。
船に乗りながら空を見上げた。
[これからもずっとたっちゃんと一緒にいたいな]
あたしは幸せを感じた。
東京でもプリクラをとった。
いつもたっちゃんは
[麻姫しか愛されへん]とか[めっちゃ好きやねん]とか[愛しすぎてます]とか書く。
やりすぎだっつーの。

この初旅行はすっごいすっごい思いでになった。
制服で旅行なんて恥ずかしいはず…
つきあってくれてありがと。


そしてたっちゃんは高校を卒業した。
学校にいってみると
「あーちゃ〜ん!!」窓から手をふってるバカがいる。
教室に行って待ってた。
それから黒彩をシャワーでおとして、プリクラをとりにいった。
卒業おめでとう!!!!!


たっちゃんが大学に入学。
それを境に少しずつあたしたちに距離が生まれた。
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