こころ
依存
喧嘩ばかりで大きな声で泣きわめくときもあり、部屋のゴミ箱はばりばりに割れ、ドアには穴があき、めちゃくちゃだった。
パニック発作はひどく、sex依存にもなった。
たっちゃんへの依存は度を越していた。
ただ空虚感をうめてくれるのはsexだと思っていた。
その瞬間だけむなしさをうめてくれるんだ。
それがまた喧嘩になった。

「俺はエッチだけのもんなん?」って。
そんなわけないのにどうしても気持ちが伝わらなくて怒らせてしまう。

好きで好きでただ好きなのに、愛し方がわからなくて、
愛が愛でなくなってしまう。

思い通りにいかなくて辛い。あたしの自傷は激しくなった。
リスカが多かった。

精神的には病み、とうとう大変な自殺未遂をおかしてしまった。
持病の薬をたくさん飲んだ。
目の前がぐらぐらゆれて気持ち悪い。
歩けない。
焦点があわない。
目をつぶっても何かがゆれてる。
あたしは夜中に救急で運ばれた。即入院で、すぐ意識がなくなった。
植物状態になるぎりぎり手前で、あたしは次の日に目を開いた。
ああ、死ねなかった。

目を開いたら少しお母さんが見えた。
お母さんは疲れた顔をしてたけど、ひとつも涙を見せなかった。
ごめんね、こんな子で。

たっちゃんがお見舞いにきた。

また、毎日毎日きてくれてあたしはたっちゃんを待つのが日課だった。
広場でジュース飲んだことも、夜中に電話したことも覚えてる。
なんだかひとりぼっちになった夜の病室はさみしかった。
あたしの体は気力よりもずいぶん先に回復して、退院した。
自殺未遂なんかしたのに、たっちゃんはそばにいてくれた。
逃げなかった。
向き合ってくれた。
不器用だけど不器用なりに
「俺が病気なおす」って言ってた。
あたしは信じてたよ。なおらなかったとしても、あたしはうれしかった。

でも、次はたっちゃんが壊れていったんだ。
ストレスでひどい胃潰瘍。
でもあたしが心配だからって絶対入院しなかった。
ごめんね。

でもあたしは、二人でなら堕ちていっていいと思ってた。
そう思ってたのはあたしだけだったんだね。

12月、あたしの誕生日前。
あたしたちは別れたんだ。
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