こころ
終止符
でもあたしはきっと誕生日にはまた一緒にいれると思ってた。

たっちゃんから連絡があり、一年前に見に行ったルミナリエをもう一度見に行くことに。

あれからたったの一年でこんなにもいろんなことがあり、こんなにもかわるんだ。

いつも笑顔が絶えなかったはずのたっちゃんから笑顔が少なくなった。

きっともう、気持ちが薄れてたんだよね。

なんとなく気づいてた。

気づかないふりしてた。

たっちゃん…

笑って?


ほんとの笑顔、
また見たいよ。



あたしはたっちゃんが全てだった。

もちろん一生。

きっとたっちゃんもそう思ってくれてたはずなんだ。



殺して…?

あたしを殺して…?

ベッドの上でお願いした。

ねえ、このままたっちゃんに殺されたいの。

何度か頼んだけど、あたしを殺そうとしたことはもちろんなかった。


あたしはたっちゃんにバイトをやめてほしかった。

時間通りにおわらない。

なかなか休めない。

急に呼ばれる。

女の子だらけ。

あたしはたまらなくイヤだったんだ。

ずっとバイトのことでもめてた。

バイトとあたしどっちが大事なの?

今まであたしがいやと言うと辞めていたたっちゃんも今回は譲らなかった。

「どっちが大事とかいう問題ちゃうねん。
俺にとって初めて居心地がいいバイトやねん。」

もういい、バイトやめへんねやったら別れる!!!!!

ずっと言ってた。

最後の最後、年明け、

「…わかった。」



え?

考えもしなかった答えがかえってきた。


たっちゃんはついにあたしの前から消え去った。

あたしが手を離してしまったんだ。

こんなにこんなに愛しいあの人を…

自ら手放してしまった。



こんなに後悔したことは今までなかった。

あたしは、人生の終止符をうたれた思いでいた。

どんだけ後悔しても、もうたっちゃんが戻ってくるわけがない。
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