あいつと最後の恋愛・・・できますか
初デート
二人で初デートと言ってもいいのだろうか・・・

飲みに行くこと以外で二人でこんなことすることはなかった。

いつも4人で遊んでいたから・・・

「どこに向かっているの?」車窓を見ながら聞いた。

「海」

「行くの久しぶりだね」

「ああ」

去年4人で行って以来、海には来てなかった。

少し風が強かったが、その風が気持ち良かった。

手を繋いで暫く海岸を歩いた。

座れる場所があったので、そこに腰かけた。

「カップルばっかりだな」

「そうね・・」

「なぁ玲・・」肩を抱きもたれさせてくれた。

この体制だと聡の顔が見えない。

「ん?何?」

「ずっと一緒にいような・・・」

「うん」悩み一つ無く即答で返事を返した。

「ここまで来るのに時間かかったな・・」

「だって飲み友以上は考えないようにしてたからね・・」

「玲が考えてくれなかったら・・いつまでもあのままだったな・・」

「そうだね・・私・・聡を失いたくなかったの・・」

「玲のそばから離れないからな。離れろって言われても、もう無理だぞ」

「私も」聡の腕を取って顔が見えるように向いた。

物凄くやさしい顔の聡だった・・こんな笑顔見たことが無かった・・・

完全に聡のこと好きなんだと自覚した・・見つめたまま動けなくなっている。

そっとキスをしてくれた・・ドキドキして動けない・・

「玲、お前固まってる?」と頬を突いてきた。

「え?あー!見とれてた・・」と言ってしまった。

「え?俺に?」って笑われた。そのあとギュッと抱きしめてくれた。

恥ずかしさと嬉しさを両方一度に感じながら聡の胸の温かさを感じていた。

寒くなったの近くのカフェまで歩いた・・今度は腕を組んで歩いた。
< 86 / 441 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop