JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】
ジンジャーの香りが口の中に広がる。
小さく深呼吸をした後、私は真佐に告げた。
「エッチはこれからいくらでもできるって言ってくれたんだ。だから、今はもう少しこのままでいいの」
真顔だった真佐が、失笑して、足をばたつかせる。
「いいねぇ~、そういうの。その気持ち悪い感じ」
「何よ、それ~」
「まぁ、いいんじゃない?そのうち、エッチばっかりで不安だって悩むようになるから」
「そんなことないもん!!」
恋多き女の真佐だから、いろんな男性を見てきただろうし、いろんな恋愛を経験している。
その真佐が、今は恋に悩んでいる。
いつ切り出そうかと思っていると、真佐から切り出した。
「いいな、そういう甘くて幸せな感じ。私なんかどん底だよ」
ストローの先で氷をもてあそびながら、クールな表情で話し始めた真佐。