JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】

「中嶋専務と真佐って知り合いなの?」

「えぇ??」

本気で驚いた顔をした真佐は、顔が真っ赤だったけど、お酒のピッチも早かったのでそのせいかもしれない。

「そこ、菜々子に突っ込まれるとは思ってなかった」

「掘れば出てくるねぇ、真佐」

真佐には他にも隠していることがあるのかもしれないけど、それを全部知る必要もないし、親友だからってそれを知るべきだとも思わない。

「どうしてあんたが知ってんの?」

「前に、ちょっと見えたんだよね。中嶋孝太って着信が」

「それ、その時に言ってよ!菜々子、また誤解してたんでしょ?やめてよ、そういうの~」

好きな男の人の話をする時に少し照れる表情をする真佐だけど、今ちょっとそういう顔をした。

「中嶋専務と、何かあったんだ?」

私の問いに、目をそらして、口先をとがらせた。
ドラえもんに出てくるのび太が、嘘を誤魔化す時にやる仕草に似ていて、一瞬笑ってしまう。

「実は、何度かデートしたことがある。専務にはかなり前から声をかけられていたんだけど、あの人婚約したし、私はそんなややこしいところに足を突っ込むつもりはなかったんだけどさぁ」

専務が真佐に恋をしていたとしたら、納得だ。

専務の部屋に仕事柄行く機会がある真佐に好意を持つのは当たり前のような気がする。

仕事に真面目で、モテるわりに女性関係はスマートだと噂されていた。

専務の周りにいる女性とはきっと違うタイプだったと思うんだ。
真佐の、セクシーな雰囲気の中にある清楚な女性らしさ。そこに惹かれたのかな、なんて想像してみる。

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