JUICY KISS ~あなたの唇独り占め~【番外編追加】

下のカフェへ行くとたくさんの社員達が休憩していた。

私は空いているカウンターへ荷物を置き、周りに知り合いがいないかどうか見回した。

向かい合って話す勇気がなかったので、テーブル席が満席だったことに少しホッとした。

「遅れてすいません」

私も裕美子も、アイスコーヒーを注文して、席につく。

ミルクを必要以上に混ぜる。

手持ち無沙汰で、ストローの入っていた紙をくるくると回して、ねじったりしていた。

何から話していいのか、全くわからない。
聞きたいことは山ほどあるけど、どれもがわからなくて・・・・・・

「あの、あのね。何から話していいのか」
と切り出してみる。

「・・・・・・ごめんなさい!相沢さん、本当にごめんなさい。私からちゃんと話すべきなのに」

裕美子の反応が想像と違ってとても嬉しかった。

いつもの裕美子のままで、安心した。

「私、給湯室で裕美子が誰かと電話をしているのを聞いてしまったことがあるの」

「そうだったんですか。その内容ってもしかして・・・・・・」


目が合う。

久しぶりによく見た裕美子の顔は、今まで私が知っている裕美子とは違っていた。

今日の裕美子は化粧が薄い。

元気もない。



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